祖父母や父母から繰り返し言われた事2021年03月03日

【火の始末】
能登に囲炉裏の火を「火様」(ひさま)と言って何百年も守ってる風習があるが、昔、祖父母も囲炉裏の火を(ひーさま)と言って消さないように大切にしていました。
夜寝る時には、火種の上から灰をかけ、絶対に燃え上がらないようにし、翌朝灰を除けて種火を確認したら、焚き付けでそおっと火を起こしていたように思います。
日常では、一升瓶の日本酒の封を切った時には、飲む前に必ず囲炉裏に少し垂らしていました。
火の神様を崇める事が日頃から当たり前だったのでしょう。

「火事を出したら最後、雪の日でも裸足で近所中に土下座して謝りに回らないといかんし、この村からも出ていかんなんのやぞ!」そう言って火の怖さを子供に教えてたのを忘れられません。

【屋根雪の下には絶対いてはいけない】
北陸の冬は毎年本当に大雪でした。1メートル以上積もるのなんていつもの事、毎日の除雪作業は欠かせません。
特に晴れた日は絶好の除雪日和、大人は除雪に精を出し、子供は大人の周りで雪遊びしてるのですが、遊びに夢中になって屋根雪の下にいるのを忘れてしまいます。
そんな時、大人達の大声が飛んでくるのです。

「屋根の下にいたら、屋根雪落ちてきて下敷きになって死んでしまうんやぞ!」

【人様の物を盗ってはいけない】
当たり前の事だけど、子供の頃繰り返し繰り返し言われていたように思います。
外で働いている父母に代わって姉と私の世話をしてた祖父母から特にそう言われてました。

私がまだ小学校に上がる前の事です。
その当時、「だっこちゃん」と言うビニール製の人形が大流行りしていて、ねだってねだってやっと買ってもらえた嬉しさに、小さかった私は遊びに来た近所の子達に見せびらかしてしまいました。
夕方になり、近所の子達が帰った後、姉と私の「だっこちゃん」が無くなっていることに気がつきました。みんなで家の中や家の周り全て探しても見つからず、私は大泣きしていました。
それから2、3日して、近所の子の1人が「どこそこに落ちていた」と言って「だっこちゃん」を持ってきました。姉の「だっこちゃん」は無傷でしたが、私の「だっこちゃん」は穴を開けられもう膨らませる事ができないようになってました。
「持ってない人の前で見せびらかしたあんたが悪い」と親に諭され、悲しかったけれど、小さいながらその意味は理解しました。

「人様の物は杉葉一枚でも盗ったら泥棒やぞ!だけど証拠が無いのにむやみに人を疑ったりしてもダメやぞ!」
祖母が常日頃から言っていた言葉です。