芋掘り2020年10月27日

父母、祖父母、姉、私の6人家族の我が家の、秋の一大イベントは芋掘りに行く事でした。

その頃、山に小さな畑があって、さつま芋を植えていました。
ご近所の何軒かの家も同じ場所に畑があり、みんなさつま芋を植えていました。

家から割と遠い場所だった事と、斜面になった畑だったので、さつま芋の栽培が適していたのだと思います。冬の備蓄物資ということもあったのかもしれません。

子供時代、年に一度の山行きはそれはそれは楽しみで、「早く行こう!早く行こう!」と朝からせっついてました。

ようやく準備が整うと、家族全員で秋晴れの中を出発です。
今と違い、車などなかったので、姉と私は祖父の引く荷車に乗せてもらい、大人達は歩きか、父は帰りに荷物を運べるように多分自転車でした。

畑に到着すると、既に来ているご近所さんと挨拶を交わし、子供達はそこら辺の探検です。
いつも遊んでいる子どうしでも別の場所で会うと特別で、少し遠くの畑まで行ってみたり、自然に出ている飲み水の場所を探したり、あっちに行ったりこっちに行ったり、芋掘りは殆どしないで遊びに夢中でした。

お昼には母と祖母が朝早くから作った梅干し入り昆布おにぎりを、包んできた新聞紙を広げてみんなで食べました。

午後からは収穫したさつま芋を、ムシロで作った袋に詰め、荷車まで下ろしたら作業は終了でした。

来る時は乗せて貰った荷車ですが、帰りはさつま芋で重くなるので、子供も歩きです。
祖父が荷車を引き、坂になってるところではみんなで後ろから押してました。

家族全員でどこかに出掛けるなんて皆無だった時代の畑仕事を兼ねた娯楽でした。

あの場所は一体どこだったのだろう?と、時々思います。
祖父母も父母も亡くなってしまった今、はっきりわかりません。
微かに覚えているのは、その場所が町の区画整理になったということです。
斜面にあった畑も、きっと姿を変えて今は平地になっていることでしょう。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://memories.asablo.jp/blog/2020/10/27/9310242/tb