干し柿2020年10月09日

昔、我が家には柿の木が何本も植えられていました。
甘柿がほとんどでしたが、渋柿も何本かあって、冬になる前、祖父が木に梯子をかけて一本分ずつ取ってくると、祖母が皮を剥いて干し柿作りをするのが毎年の恒例でした。夜ご飯の後も作業は続き、母も手伝って何百という柿の皮を剥いていました。(皮剥き機もなく包丁での渋柿の皮むきって本当に大変です)

皮が剥き終わると、残しておいたへたの枝に紐を引っ掛け、2個を1セットとして竿にかけていきます。全部を作るのに何日かかってたのでしょう?いつのまにか干し柿のスダレが出来上がり、いつもご飯を食べている薪ストーブのある部屋の天井からぶら下がってました。
その後のややこしい工程ははっきりわかりません。日に日に寒くなる北陸の気候の中で、祖母は毎日手を掛けて世話をしていたようです。

そうして出来上がった干し柿は、藁を敷いた木箱の中に入っていました。大きくて柔らかく飴色で白い粉をふいた上等の干し柿です。
それを、祖父が干し柿組合から分けてもらった箱の中に、1個づつセロファンでくるみ、殆ど商品のようにして、都会にいる親戚にお歳暮として送っていたのを記憶しています。

家の者の口に入るのは、サイズが小さいものや見栄えが悪いものでしたが、味は一緒で、冬だけ食べられる最高のオヤツでした。

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